東京藝術大学の宮脇檀氏が、【新建築1979年4月号】の「人間のための住宅のディテール28――部材を既製品化する試み」で、「‥‥黒川哲郎君はこうした部材の開発に意欲的な建築家のひとりである.‥‥」と、1978年に設計した『樹木希林の家』のパーソナルファブリケーションについて述べています。
「‥‥今回は大分洗練されてきたテツマド(哲窓?鉄窓?)やテツドア(同)などを紹介する.‥‥クレモンボルトはヨーロッパではごく当たり前の部品を何とか日本でも安価で良質のものを作りだしたい,パンチングメタル・スクリーンは工業製品としてのパンチングメタルを建築の部材にし得ないか,という試みである.
まだまだ試行錯誤のものであるのだが,自分の作品の中で試みながら昇華(消化)して行こうという姿勢は好感を持ってみていきたいし,行けるとなったら使ってみたいものである.」と、宮脇氏らしい、揶揄しながらも愛情に満ち、かつ本質をついた文章です。
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