人工林材の建築への活用は,地球温暖化の抑制のみならず,生活や農耕の水源を涵養する地域環境保全の原点です.
耳納杉を用いたスケルトンログ構法による屋根架構の『うきはアリーナ』の建設は,芯材部が大きく,強度や変形,乾燥に問題を抱える「日本の地域林業再生」の嚆矢(こうし)です.
『うきはアリーナ』は,ふたつの町がひとつの市となって,歴史を新たにする旅立ちの記憶となり,後川や吉井の名につながる水に恵まれたうきは市とスポーツを結ぶ,英気天に漲(みなぎ)る生命力のメッセージです.競技の開催ばかりでなく,研修や観光を通して,人々の交流や連帯を誘発する郷土の新しい〈資源〉となるでしょう.